自分を認められないときは、「他信」からはじめていい

うつから回復する方法として、「自分をありのまま受け入れることが大切」と書かれているのをよく見かけます。
頭ではわかるのです。
けれど、当事者にとってこれは本当に難しいことです。

私自身、うつで苦しんでいたとき、こう思っていました。

「ありのままを受け入れるって、どうやって?」
「それができていたら、そもそもこんなに苦しんでいないはずなのに」

“受け入れる具体的な方法を教えてほしい”と、何度も思っていました。

そんな私が、カウンセリングを続ける中で少しずつ気づいたことがあります。
それは 「自分で受け入れられないなら、まずは他人に受け入れてもらえばよかったんだ」 ということです。


うつの時、「ありのまま」を認めようとしても難しかった

うつ状態のとき、私は「ありのままの自分を認めよう」と頑張りました。
けれど、どうしても受け入れられませんでした。

なぜなのか。

今振り返ると、心のどこかでこう思っていたのだと思います。

「今の自分を受け入れて生きていくのがイヤだ」
「本来の自分は、今の自分ではない」

そんな感覚がずっとありました。
だからこそ、「ありのままを受け入れる」という言葉が、当時の自分にはとても遠いものに感じられたのです。


「ありのまま」にはいくつかの意味がある

私は、「ありのままの自分」という言葉には、いくつかの種類があるのではないかと思っています。

  • ありのままに行動する自分
  • ありのままに感じる自分
  • ありのままに考える自分
  • そして、自分では認められない “ありのままの自分”

これらを全部ひとまとめにしてしまうから、混乱してしまうのではないでしょうか。


私が言う「本当のありのままの自分」とは

私が気づいた「本当のありのままの自分」とは、

「あぁ、自分はこのままでいいんだ」と思える自分

のことでした。

「こんな自分はイヤだ」
「こんな自分は嫌いだ」

そう思っていた時期もありました。
でもカウンセリングを通して、私はこう気づいたのです。

「認めたくなかった自分は、本当のありのままの自分じゃなかったんだ」
「もう一つの“本当の自分”がちゃんといたんだ」

そう思えた時、今の自分を少しずつ認められるようになりました。


自分を認められないときは、「他信」からはじめていい

自分を認められないとき、私たちは自信を失っています。
自信がないまま「自分を受け入れよう」としても、心はなかなか動きません。

そんなときに必要なのは、

自分を信じる前に、誰かに信じてもらうこと。

私はカウンセリングの中で、どんな自分でも受け入れてもらい、認めてもらい、信じてもらう経験を重ねました。
すると、不思議なことに、

「あ、こんな自分でもいいのかもしれない」

という感覚が少しずつ育っていきました。

自分を信じられないときは、
“自分以外の誰かの信じる力”=他信 に支えてもらえばいいのです。

他信が積み重なると、やがてそれは
「自分を信じる力(自信)」 に変わっていきます。

もし今の自分を受け入れることが苦しく感じるなら、ひとりで抱え込まず、カウンセリングという「他信」を受け取る場に、そっと足を運んでみてもいいのだと思います。