私とPCTとの出会い

私、田上は1976年(昭和51年)、京都に生まれました。

長年、大きな病気もなく元気に過ごしてきましたが、39歳のとき、さまざまなストレスが重なったことがきっかけで、うつ病を発症しました。

それ以来、気分の波や、頭の中に霧がかかったような感覚が続き、
あらゆることに自信を持てなくなった私は、人と会うことを避けるようになりました。

そのような状態では仕事を続けることも難しく、発症から3年後、17年間勤めた職場を退職する決断をしました。

さらに2年が経っても、気分の波や自信のなさは変わらず、
新たに始めた仕事も1ヶ月と続かない日々が続きました。

うつ病になる前の私は、
「心理カウンセリングなんて、話を聞いてもらうだけで何か変わるのだろうか?」
「本当に役に立つのかな…」
そんなふうに思っていたこともありました。

でも、うつ病になってからいろいろと調べる中で、
心理カウンセリングが有効だという情報を目にするようになりました。

とはいえ、お金に対する漠然とした不安も大きく、
妻に相談することさえできずにいたのです。

ウォーキングやマインドフルネスなど、うつに良いとされることを試してみても、
なかなか改善せず、漠然とした不安を抱えながら毎日を過ごしていました。

それでも心のどこかで、
「今の自分にできることがあるんじゃないか?」
「このままではイヤだ…」
そんな思いが湧き上がってきました。

そして、「自分と同じようにうつで苦しんでいる人の力になりたい」
という気持ちが芽生えたのです。

心理カウンセラーになるには、まず自分自身がカウンセリングを受ける必要があると感じ、
実際に受けてみることにしました。

最初は、何を話せばいいのかもわからず、言葉を選ぶことさえ難しく感じました。
それでも少しずつ、頭に浮かんだことを言葉にしていくうちに、
次第に頭の中が整理されていく感覚が生まれました。

まるで、絡まった糸を一つひとつほどいていくような感覚です。

ある日、自分でも気づかなかった感情にハッと気づいた瞬間がありました。
「ああ、私は本当はこう感じていたんだ」
「だからこんなふうに悩んでいたんだ」
そんな発見を重ねるたびに、心が少しずつ軽くなっていったのです。

気づけば、あの霧のような感覚は消え、
自然な安定を取り戻していました。

もう無理だとあきらめていた「本来の自分」に戻ることができたのです。

私が体験した心理カウンセリング――それが、PCT(パーソン・センタード・セラピー)でした。